セミ恐怖症の原因と克服、治療方法
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セミ恐怖症の原因と克服、治療方法
「ミ〜ンミンミン」
「ツクツクボーシ」
「ジージージージー」
「チッチッチッチッ」
夏になるといたる所からセミの鳴き声が聞こえてきます。日本には30種類以上のセミが生息していると言われています。
「静けさや岩にしみ入る蝉の声」
松尾芭蕉の俳句にも詠まれているように、日本の夏の定番でもある「蝉(せみ)」。
セミの鳴き声がすると「あ〜夏だなぁ〜」としみじみ実感する人も多いと思います。
しかし、そんな夏の定番「セミ」に強い嫌悪感や恐怖心を感じる方もいらっしゃるのです。
ではセミ恐怖症の原因や克服方法とはどんなものなのでしょうか?
セミ恐怖症の症状、悩みとは?
セミ恐怖症の方は以下のような症状やお悩みをお持ちです。
- セミの鳴き声を聞くと不快になる
- 夏が迫ると「あぁまたあの季節がやって来る…」と憂鬱になる
- セミがいるとそのそばを通れない
- 玄関先にいると一人で家に入れない
- ベランダで洗濯物を干すのが怖い
- 外出が怖い
- 外出時に常に周りが気になる
- 木を見るとセミがいないかつい探してしまう
- 自然豊かな場所に行けない
など、日常生活にも支障を来してしまうこともあります。
セミ恐怖症の人でも他の虫は比較的平気という人もいます。では、セミ恐怖症の人はセミと他の虫にどんな違いを感じているのでしょうか?
- いたる所にいて、目にする頻度が多い
- 住宅地にも普通にいる
- 自分の家の壁や玄関、ベランダなどにも出没する
- バタバタと激しい羽音
- 奇声を上げるような鳴き声
- 抜け殻や死骸もたくさんある
- 突然飛び出す
- 自分めがけて飛んでくる
- ひっくり返って死んでいると思ったのに突然バタバタ暴れ出す
- ゴツくて大きい
というような違いを感じているのです。
セミ恐怖症ではない人にはとっては「なぜ身近なセミなんて怖いんだ??」と不思議に思うかもしれませんが、その身近さが逆に独特な存在になっているのです。
そして、他の恐怖症のケースとも同じですが、周りからはあまり理解してもらえません。
「誰だって突然暴れだしたらビックリするよ!」「私もそんなに好きじゃないよ」程度にしか理解されなく、自分が感じている恐怖心や辛さをなかなかわかってもらえず、孤独感を感じる方も少なくありません。
セミ恐怖症の原因とは?
セミへの恐怖心が強くなった原因は人それぞれですが、多くのセミ恐怖症の方が共通して持っている要因は、過去の嫌な体験です。
- 突然セミが暴れ出してビックリした体験
- 自分に向かって来て怖かった体験
- 死骸などを大量に目撃して気持ち悪かった体験
- 他人が驚いたり怖がっていたのを目撃した体験
恐怖症のプログラムは「インパクト」と「くり返し」によって出来上がりますので、このような過去の嫌な体験が強烈であればあるほど、そして何度もくり返されればされるほど、恐怖心も強くなってしまうのです。
また、当初は平気だったのに、他の虫嫌いが派生してセミも大嫌いになってしまったという事例もあります。
私たち人間だけではなく、動物は皆「自己防衛本能」を持っています。ですから過去に嫌な体験を味わうと、脳は二度と同じ目に遭わせないように自己防衛本能を強めます。その自己防衛本能が恐怖心を発動させて、セミから自分の身を遠ざけようとするのです。
セミ恐怖症3つの克服、治療方法
セミへの極度な恐怖を解消させるには以下の3つの方法が効果的です。
1.過去の嫌な記憶の再編集
2.セミのイメージ転換
3.平気な感覚のインストール
それぞれ簡単に解説します。
1.過去の嫌な記憶の再編集
もしセミを苦手になったきっかけの出来事があるのなら、「過去の記憶の再編集」が非常に効果的です。過去にセミが嫌いになった出来事のイメージ転換を行うのです。
やり方は目の前にスクリーンをイメージして、そこに苦手のきっかけとなった出来事を映像化するのです。そしてその映像を巻き戻したり、イヤな部分を切り取ったりというように、記憶のイメージを再編集するのです。
記憶の再編集を行うことで、「セミ=嫌な存在」「セミ=怖い」と言った感情が剥がれ落ち、過剰反応しなくなるのです。
2.セミのイメージ転換
私たちが苦手なものは、実はそのものに反応しているのではなく、頭の中のイメージに反応しているといことも言えるのです。
多くの場合、セミが平気な人と、セミ恐怖症の人ではセミの見え方が違います。
セミが平気な人は単なる小さな昆虫、夏の風物詩としてセミを見ていますが、苦手な人は、実物よりも大きく見えたり、悪魔のように見えたり、セミがいるだけで周りまで灰色の邪悪な世界に見える、というように感じてしまうことがあるのです。
これは目の前のセミそのものに反応しているというよりも、セミに対する独自のイメージフィルターを通してセミを見て、そのイメージに反応しているのです。
ですから、知らず知らずのうちに作り上げている「セミのイメージ」を変えることで、セミの見え方も全く変わってくるのです。「セミは怖い存在」という色眼鏡を外すような感覚です。
3.平気な感覚のインストール
セミ恐怖症に限らず、あらゆる恐怖症に悩む人は苦手な対象と平気で過ごしているイメージができません。
例えば、飛行機恐怖症の人であれば飛行機に平気で乗っているイメージが湧かないですし、高所恐怖症の人であれば東京スカイツリーの展望台から楽しく景色を眺めている自分のイメージが湧きません。
「大丈夫、大丈夫!」「平気、平気!」と頭で念じてプラスのイメージをしようとしても、やっぱり「恐怖を感じている自分のイメージ」が勝手に浮かんで来て不安になってしまうのです。
そこで、苦手なものを目の前にしても平気で過ごしている自分の姿や感覚を疑似体験するのです。
例えば、昔はセミが平気だったのであれば昔の自分の感覚、周りにセミが平気な人がいればその人の平気な感覚を体を使ってリアルに疑似体験します。
そうすることで、脳が「セミ=苦手」→「セミ=平気」と認識を変えて行き実際に平気になって行くのです。
夏を思いっきり楽しもう!
セミ恐怖症の人は夏が嫌いです。その理由は説明するまでもありません。本当はもっと積極的に出歩いたり、夏をエンジョイしたいのに、セミという存在がいるお陰で、自由な行動を制限されてしまうのです。
しかし、どんな問題にも原因があります。そして原因がわかれば、対策が打てます。
もし今のあなたがセミのお陰で夏を楽しめていないのなら、ぜひこの機会にセミ恐怖症克服への道へ進んでみてはいかがでしょうか。
きっと日常が変わり、あなたを取り巻く世界もガラリと変わるとおもいます。