自分にOKを出し、自信を持つ「ココロの講座」 恐怖症、トラウマを解消させる心理カウンセリング

他人との比較

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【第4講】人はなぜ他人と比較してしまうのか?

前回講座では、「なぜ多くの人は自分にOKを出せないのか?」ということをお伝えしました。

その理由、覚えていますか?

そう、「他人」や「過去、未来(理想)の自分」と比較をしてしまうからでしたよね。

比較によって自分に足りない部分や欠落した部分があぶり出されてしまい、そんな自分にOKが出せなくなってしまうのです。

ではどうして私たちは比較という自虐的な行動を起こしてしまうのでしょうか?今日はそのことについてお話します。

「価値観」の弊害

価値観とは人それぞれの判断基準や行動基準となる重要な考えのことを言います。

・信念
・主義
・思い込み
・人生観
・固定観念
・自分だけのルール

などの言葉で表現されることもあります。

離婚した芸能人も記者会見でよく使いますよね「彼とは、価値観が違いすぎて…」

普段は特に意識していない「価値観」。でも、離婚の原因になるくらい人生では重要なことなのです。

本来は価値観自体に良い悪いはありません。しかし価値観があまりにも強くなりすぎると問題が生じて来ます。

価値観がどんどん強くなると、その価値観を完全に信じ込みそしてそれが執着になります。

「○○しなければいけない!」
「○○してはいけない!」
「○○なんて信じられない!」

「○○すべきだ!」
「○○であるべきだ!」

「絶対に○○だ!」
「○○だけは譲れない!」

などなど、強い価値観や執着は自分だけではなく、周りの人間も自分の枠に無理やり閉じ込めようとしてしまいます。

その最たる例が、宗教戦争です。

「私たちの神が正しい!」
「いや!私たちの神の教えが正しいんだ!」

というお互いの「強すぎる価値観」が戦争まで引き起こしてしまうのです。

夫婦喧嘩から戦争まで、世の中のほとんどの争い事は価値観の相違から生まれている、といっても過言ではないのです。

このように、価値観による争い事も大きな問題なのですが、実はもっと根本的な問題があるのです。

その価値観の最大の問題点とは、「価値観は無色透明」ということです。自分にはどんな価値観があって何が執着なのかがわからないということです。

なぜなら、価値観は自分にとっては空気のように当然のことだと思っているからです。

ですから、たとえ他人から見ると行き過ぎた考えや言動でもそれが価値観に基づいたものであれば、当の本人は暗黙の了解で「正しいこと」や「真実」と信じ込み、疑う余地すら生まれないのです。

たとえば多くの日本人は宗教戦争を見ていて、「どっちもどっちだよな…」と感じるかもしれませんよね。でも争っている本人たちは、自分の価値観が絶対に正しいと信じきっているのです。

「価値観」を「絶対的な事実」としてしか感じられないのです。

ではもっと身近な話をしましょう。

価値観と比較の関係

今回のメール講座のテーマは「なぜ比較が起きるのか?」ということでしたよね。

人と比較するときのことを考えてみましょう。

例えば、「あの人は頭が良いのに、自分は悪い。」と思っていて自分にOKが出せない人がいるとします。

実はここにも価値観が潜んでいるのです。

この場合には、

・頭が良い=優れている
・頭が悪い=ダメ

という価値観が判断基準になっています。

さらに、
・頭が良い人=学校の成績が良い人

という価値観もありそうです。

でもよくよく考えてみるとどうでしょうか?果たして本当の意味で「頭がいい人」というのは学校の成績が良い人でしょうか?そして、学校の成績が良い人が人間として優れているのでしょうか?

本来は違いますよね。人間にはさまざま要素があります。人によって得意、不得意があります。ですから本来は「頭が良い」と言うのはその一つの要素にすぎないのです。かけっこが早いとか、気配りがきくとかということと大差ないのです。個人の特徴の一つだけなのです。

でも現代の日本を始めとする先進国はやはり学歴社会です。偏差値の高い学校に行くことが凄いこと。一流企業に就職して、高いお給料をもらうことが優れていること。

このような大前提の上に今の日本社会が形成されています。

そんな「世間が作り出した価値観」が比較を生み、それを価値基準として自分を裁いてしまっているのです。

他にもこんな例があります。

小さいころからよく母親に叱られていた人がいるとします。

しかも「お前は本当にバカだ!」「生まれて来なければ良かったのに!」と罵倒され続けてきたとします。

ではそんな環境で育てられた子どもにはどんな価値観が染み付くでしょうか?

「自分はバカだ!」
「自分には価値がない」

というような価値観が出来上がる可能性が高いのです。

そして本当は成績も普通で、周りの子どもとなんら変わりないのに、「自分はバカなんだ」と信じ込んでしまうのです。

こんな価値観を持ってしまうと自分にOKなど出せません。誰を見ても、自分が劣っていると思ってしまうはずです。親に植え付けられた価値観が比較を生み苦しんでしまうのです。

実はこのような価値観はまるで私たちの社会に忍び込んだ秘密の組織のように、日常生活で何の疑いも持たないことの裏側にも隠れています。

例えば…

  • 成績が良くなければいけない
  • キビキビ行動しなければいけない
  • はっきりと自分の意見を言わなければいけない
  • 年収が高い人は偉い
  • 高級車に乗っている人はお金持ちだ
  • たくさんの資格を持っているとスゴイ
  • 貧乏は惨めだ
  • これからは英語が話せないとダメだ
  • 女らしく振舞わなければいけない
  • 友達が多い人は素晴らしい

などなど、一見当たり前のように思われ、これのどこが価値観なの?事実じゃないの?と思えるようなことも、実は価値観の一つなのです。

絶対的な事実ではないのです。

私たちがこれまでの人生で自然と身に着けてきた価値観。

親、先生、友人、国、地域、会社、学校、家庭…さまざまな外的な価値基準を元に比較が生まれ、その比較によって自分にOKが出せなくなってしまう。

それが比較を生み出す裏の原因なのです。

あなたが信じきっている透明な価値観にはどんなものがありそうですかね?

その見つけ方も今後の講座でご紹介して行きますのでお楽しみに!

次の講座は自分の欠点をどうやって克服すれば良いのか?をお教えします。






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