欠点、短所は治してはいけない
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【第6講】 欠点、短所は治してはいけない!?
前回の講座では、こうお伝えしました。
たとえ今の自分や環境をマイナスに感じたとしても、その意味をしっかりと理解することが大切だ。
そしてその講座を受けて、ある読者の方からこんなメールをいただきました。
こんにちは、○○と申します。
いつもココロの講座をとても楽しみにしております。
第5講のプラスの自分vsマイナスの自分を読ませていただきました。
マイナスな現状にも実はプラスに働く意味があるのだということがわかり、何か心が軽くなった気がします。
ただ、そうは言ってもやはり私は特別な資格や能力もないですし、周りの人に比べても劣っている気がしてしまいます。
こんな私や私の人生にはどんな意味があるのだろうか?と余計に悩み始めています。
講座の内容は確かにとても参考になりますがやはり私には当てはまらない気がしてしまいます。
ダメな自分は結局は本当にダメなんだ、と思ってしまう自分がいるのです。
自分は特別優れているわけでもなく、やはりマイナスな存在なんだ。そしてそれは思い込みではなくて、紛れもない事実なんだ。そう感じてしまうというご意見ですね。
確かにそのお気持ちはよくわかります。
仕事、人間関係、恋愛、家庭環境…今の生活に大きな問題を感じていればそれは紛れもない事実なんだと思ってしまいますよね。
そして問題だらけの自分や自分の人生には何も価値がないのではないか?と感じてしまうかもしれません。
かつての私もそんな状況でした。欠点だらけの自分がイヤでイヤで、
「自分から抜け出したい!」
「自分を変えたい!」
「欠点をひとつ残らず治したい!」
と願っていました。
でも今は違います。「欠点は治す必要はない!」と思っています。
一体どういうことでしょうか?
欠点は克服してはいけない!
あなたには欠点がありますか?
もちろんありますよね。欠点がなけば、そもそもこの講座を受けていないと思いますからね。
ではあなたの中で一番の欠点は何でしょうか?
パッと頭に浮かんだものでよいので考えてみましょう。
考えましたか?
では、その欠点は何と比較したときに「欠点だ」と感じるのでしょうか?
例えば、自分の欠点が「自己主張ができない」というものであれば、誰と比べて自己主張が足りないのでしょうか?
上司?先輩?同僚?
おそらく誰か比較対象がいるのではないでしょうか。どうですか?
あなたの欠点は誰と比較した結果、さらに強くなっているのでしょうか?
不思議なことに私たちは、「自分の欠点」と「他人の長所」を比べてしまいます。
自分の欠点が「自己主張できない」なら、自己主張がとっても得意な同僚と比較してしまうのです。口べたなら、話が上手な友人と比較してしまうのです。
というように、知らず知らずのうちに自分の欠点と他人の長所を比較して劣等感を抱いてしまう傾向があるのです。これじゃあ、落ち込むのもしょうがありませんよね。
もし自分の欠点や無能さを感じたなら、「もしかしてコレって相手の長所と比べてない?」と自分に質問をしてみてください。
それだけで自分を追い詰めている張本人が自分自身だということに気がつきます。
また欠点という捉え方自体にも問題があります。
欠点とは読んで字のごとく「欠けた点」です。
では、あなたが欠点と思っている自分の性質や性格は本当に欠けているのでしょうか?
例えば、私はごく最近まで自分には行動力が足りないと思っていました。なぜそう思っていたのかというと、やはりズバ抜けて行動力がある人と自分を比較していたからです。
他人の長所と自分を比較して自分はダメだと思い込んでいたのです。
でもあるとき先輩経営者からこう指摘されました。
中村さん、行動力ってそんなに大切?
私は長年経営をやっているけど、後先考えず行動する奴ほど、後で収拾が
つかなくなって失敗してるよ。
確かに行動力も大切だけど、私は計画力や先見力の方がもっと大切だと思うけどね。
だから中村さんも行動力に固執する必要はないんじゃないかなぁ?
この言葉を聞いたときにまさに目からウロコでした。
なぜなら、私の中には
「行動力が一番大切だ!」
「行動力がない奴はダメだ!」
という強力な価値観があったからです。しかもそれはゆるぎない事実だと信じていたのです。でもこれも単なる思い込みだったのです。
これまでの自分の行動を振り返ってみても私はいきなり行動するというよりもある程度納得のいくまで考えを練ってから行動するタイプだったのです。改めてそのことに気がつきました。
すると、今まで欠点だと思っていたことが単なる「違い」に変わったのです。今までライバル視していた行動力のある人を見ても、過剰反応しなくなったのです。
欠点や短所はそれを欠点として見る「価値観」があるから欠点に見えるだけなのです。本来はそれは欠点でも何でもなく「違い」に過ぎないのです。
そしてどんな欠点にもプラスの側面があります。
例えば、
・口下手→人の話をじっくり聞ける
・人の目を気にする→周りに気配りができる
・集中力がない→色々なことに気づく
・すぐ不安になる→先々まで気を配れる
・自己主張が苦手→色んな人の意見を聞ける
・行動が遅い→じっくり考え着実に行動できる
・気が短い→仕事が早い
・トロい→慎重に着実に行動できる
などなど。
これまで欠点だと思っていたことをちょっとだけ視点をズラして見てみると、その裏には自分だからできることや自分らしさが隠れているのです。
ですから欠点は克服するのではなく、欠点に隠れているプラスの側面を見つけ出すことが大切なのです。
そして欠点を自分らしさや自分の役割に転換していくのです。
欠点は克服せずに、生かすことが大切なのです。
以上第6講「欠点は治してはいけない!」でした。
欠点をなくす方法を動画でもお話しています。ぜひ参考にしてみてください。
欠点をなくす方法
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