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対人恐怖症の原因と克服、治療方法

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対人恐怖症の原因と克服、治療方法

対人恐怖症とは、その名の通り「人に対して恐怖を感じる症状」をいいます。

恐怖といっても幅は広く、ドキドキ緊張が高まるケースからその場に居心地の悪さを感じたり、その場から逃げ出したくなったりといった状態になります。

そして実際に人と接している時はもちろん、人に会う前にも大きな不安や心配が発生することも多いのです。

対人恐怖症

対人恐怖症の症状、診断チェック

対人恐怖症といってもその症状はさまざまですが、主な症状には以下のようなものがあります。是非あなたに当てはまることがあるのかチェックしてみてください。

  • 人前で極度に緊張する
  • 人のいる場所に行きたくない
  • 集団が苦手、怖い
  • 自分がどう見れているのか人の目が気になる
  • 知らない人がいると緊張が強まる
  • 親しくなればなるほど抵抗感が出る
  • 人の目が見れない
  • 周りの視線が気になる
  • 表情がこわばる、顔が引きつる
  • 人と親しくなれない
  • 人が信用できない
  • 前に人がいるだけでドキドキがする
  • 人混みに行けない
  • 人に話しかけられない
  • うまく会話ができない
  • 自分の意見が言えない

などなど挙げればきりがありませんが、やはり人に対して自然に接することができなかったり、居心地の悪さを感じてその場から早く逃げ出したくなることが多いのです。

対人恐怖症の原因

ではどうして人が苦手になってしまったのでしょうか?

対人恐怖症の原因には大きく分けると以下の3つが当てはまります。

1.親や家族との人間関係
2.過去のトラウマ
3.対人関係の刷り込み

1.親や家族との人間関係

家族というのは生まれて初めて接する人々で、人間関係の最小単位、原型でもあります。

特に両親は私たちの人生にとって一番影響力がある存在です。

ですから、親や家族とどう接して来たのかによってその後の人間関係にも大きな影響を及ぼすのです。

例えば、「お前はスゴイ!」「何でもできるぞ!」「愛しているよ!」と褒められ認められてきた子どもがいるとします。そんな家庭環境で育った子どもは周りに対してどんなイメージを持つでしょうか?

きっと「周りは自分の味方だ!」「自分は愛されている!」という意識が強くなるのではないでしょうか。

一方、「お前はバカだ!」「無能だ!」「価値がない!」とけなされ否定されて育った子どもがいるとします。そんな家庭環境で育った子どもは周りに対してどんなイメージを持つでしょうか?

きっと「周りは自分を嫌っている…」「自分は愛さていない!」という意識が強くなるのではないでしょうか。

このように、家族から厳しく叱られ続けたり、否定されたり、他人と不毛な比較をされたり、肉体的精神的な苦痛を与えられると、周りの人に対するイメージがネガティブなものになってしまいます。

その結果、周りの目を必要以上に気にしたり、相手に合わせ過ぎたり、人を信用できなくなったり、ビクビクオドオド接したりといった態度になってしまうのです。

そしてセルフイメージも「ダメ人間」「劣った人間」「価値のない人間」「求められていない存在」「愛されない存在」「人に迷惑をかける存在」と低いものになってしまうのです。

その他にも、以下のようなタイプの親との関係性が対人関係における「信頼感」や「安心感」を阻害して、その後の人間関係にも悪影響を及ぼすこともあります。

  • 気性の荒い親
  • 感情の起伏の激しい親
  • 裏表、二面性のある親
  • 豹変する親
  • 約束を守らない、裏切る親
  • 自分に無関心な親
  • 世間体ばかり気にする親
  • 褒めずにけなしてばかりいる親
  • 夫婦喧嘩ばかりしている親
  • 肉体的暴力、言葉の暴力を振るう親
  • 会話も接触も少ない親
  • 過保護、過干渉な親
  • 居心地の悪い家庭環境

このような家庭環境で育つと「親」という一番身近な人間との関係性から対人関係に対するネガティブなイメージや価値観が出来上がってしまうのです。

2.過去のトラウマ

次に過去の嫌な出来事や辛くショッキングな出来事が、他人へのイメージを悪くさせて、対人恐怖につながることも多いです。

例えば、

  • 騙され
  • 裏切り
  • 暴力、虐待
  • いじめ
  • 仲間外れ
  • 無視
  • 誹謗中傷
  • 騙され
  • バカにされる
  • 恥をかかされる
  • 否定される

このような体験がトラウマとなり、人間不信につながったり、過度に人の目や評価を気にしたりする結果となり、対人への苦手意識や恐怖心が強まってしまうのです。

3.対人関係の刷り込み

その他にも、ある意味「躾け」の一環として家族の言動なども、対人恐怖につながる場合もあります。

例えば、以下のようなことを繰り返し言われたり、親や家族がよく口にしていると特定の価値観が刷り込まれることもあります。

  • 人を信用してはけない
  • 人は皆敵だ
  • どこで誰が見ているかわからない
  • 常に恥ずかしくない自分でいろ
  • 人に本音を言ってはいけない
  • 人に心を開いてはいけない
  • 人はすぐに騙してくる
  • 世の中は危険だらけだ
  • 自分のことをわかってくれる人なんていない
  • 人に意見を言ってはいけない
  • 自己表現してはいけない
  • 人に迷惑をかけてはいけない

もちろんこれらは人生を生き抜く教訓や学びとして取り入れることは必要です。ただ常にこれらを言われ続けると、それを真実だと何の疑いもなく信じ切ってしまうのです。

例えば、とても優しくよくしてくれる人がいても、「嬉しい、もっと仲良したい!」という思いはあるものの、「人を信用してはいけない」「人に心を開いてはいけない」という価値観を強く持っていれば、親しくなればなるほど抵抗感や違和感を感じてしまい相手を避けてしまう、ということにもつながるのです。

対人恐怖の裏には特定の価値観がある!

これまで説明してきたように、対人恐怖症の人には必ず「人は◯◯だ!」「人は◯◯する!」「人は自分を◯◯と思っている!」などのネガティブな価値観を持っています。

ですからその価値観をいかに緩めて行くのか?そしてセルフイメージをいかに高めて行くのか?ということが対人恐怖症克服のポイントになるのです。

対人恐怖症の克服治療方法とは?

では対人恐怖症を改善させるためには、具体的にどのような対策をしていけば良いのでしょうか?

それには2つのアプローチが大切です。

1.人に対するネガティブな価値観、イメージの改善

親や家族への怒りやわだかまり、苦手意識があるのでしたら、内に秘めたその思いを解放したり、心の中にある親のイメージ(いつも怒っている、睨みつける、無関心など)を改善します。

人間関係を悪くさせたトラウマがあるのでしたら、そのトラウマを解消させることも有効です。

また親や家族、友人などとの関わりの中で出来上がった「対人関係に関するネガティブな価値観」を見つけ出し、緩めて行くことも地道な作業ですが非常に効果的です。

そのためにはまず、自分がどんな価値観を持っているのかに気づかなければいけません。

対人関係のネガティブな価値観を発見する方法

対人関係に恐怖やストレスを感じた時に「自分は一体何を恐れているのか?」と質問をしてその答えを探っていきます。

夜に自分の部屋で落ち着いてその日1日の自分を振り返り、手帳や携帯電話などにメモすると良いと思います。

「感情日記」を書くのです。

例えば、「混んでいる電車に乗る時に抵抗感を感じた」という出来事があったのなら、何に抵抗感を感じたのか?とさらに質問をします。

「人が自分を見ている気がしたから」という答えが出たら、さらに「人が自分を見ることの何が嫌なのか?」と質問します。

そして「自分の陰口を言っていそう、バカにしていそう」という答えが浮かんできたとします。

ということは、対人恐怖の根本には「人にバカにされることへの恐れ」があるということになります。

価値観から過去の体験を探る

自分の中に「人にバカにされることへの恐れ」があるということが日々の感情日記から発見できたら、「その価値観はいつ誰とどんな出来事で出来上がったのか?」と質問をして過去を探っていきます。

「人にバカにされることへの恐れ」があるとうことは、過去に人からバカにされ嫌な体験をしたからこそ、それを嫌い避けようとしているのです。

親との関係性やよく言われたフレーズが浮かんで来るかもしれません。友人から受けた嫌がらせを思い出すかもしれません。

このように、今の自分の日常からネガティブな価値観を見つけ出し、その価値観を元に過去のトラウマや体験を掘り起こすことで、そのトラウマや嫌な体験のイメージチェンジができるようになるのです。

2.セルフイメージの改善

対人恐怖症を克服ためには、ネガティブな価値観を緩和したり、過去のトラウマを解消させることが大切です。

しかし、あまりにも過去を振り返り過ぎたり、原因探しに躍起になり過ぎると重箱の隅を突つくようになり、出口が見えなくなってしまいます。

あるいは原因探しの結果、親の影響が大きいとわかると「そうか親が厳しかったのが原因なのか!よくも自分の人生を台無しにしてくれたな!」と親への怒りが爆発することもあります。

これでは逆にストレスや新たな悩みが生まれてしまいます。


《参考記事》過去の後悔から抜け出す5つの方法


ですから、ネガティブにフォーカスするだけではなく、プラスに意識を向けることも同時に大切です。

「過去の清算」と「未来への希望」の両輪を回して行くことが大切なのです。

そのために大切なのが、セルフイメージの改善です。

過去の辛い体験やその体験で出来上がったネガティブな価値観の意味をしっかり理解して、じゃあ今後の人生はどういう風に過ごして行きたいのか?を明確にするのです。

自分の労をねぎらう

まずは「過去の清算」です。親や家族からの影響、友人からの影響、仕事関連の影響…さまざまな影響を与えられて来たけれど、今の自分はここにいる。しっかりと生き続けている。それだけでも大したもんだぞ!

よく色々乗り越えて来たな!偉いぞ!とこれまでの自分の労をねぎらってください。

学びを得る

人はその時々を生き抜くために様々な価値観を身につけます。先ほどの「人にバカにされてはいけない」という価値観もバカにされ辛い目にあったため二度とそんなことが起きぬように、自己防衛しているのです。

ですから「バカにされたくない」からこそ、必死に学んだり準備したり努力したりといった向上心にもつながって来たのです。

「一見ネガティブに見える価値観」にも必ずメリットがあるのです。そんなメリットや自分が受けた恩恵、学びをしっかりと確認することで、その価値観を手放すことができるのです。

プラスの価値観を身につける

過去を清算しそこからの学びを得られたら、次に今後の人間関係で活用して行く「プラスの価値観」を見つけ出し身につけて行きます。

過去に人間関係でうまくいった事例、仲良くできた相手との関係などを振り返り、

  • その体験からどんなことを感じたのか?
  • どんな学びを得られたのか?
  • どう過ごすことが自分にとって居心地の良い人間関係につながったのか?

ということを見つけ出して行きます。

すると「ズバッと本音をいった時の方が人間関係のストレスがなかったかも!」「どう見られるのか意識せずにただ一生懸命やっていたときには人の目が気にならなかったかも!」

ということに気づけるかもしれません。

すると、今後強化して行く価値観は「本音で語ると心地良い♪」「一生懸命さが自分を輝かせる!」というものになるかもしれません。

もちろん新たな価値観はなかなか一発では見つからないかもしれません。
しかし過去のうまくいった体験を色々と思い出すことで、段々と形が見えてくると思います。

まとめ

人は誰でも他人から嫌われたくありません。人から良く見られたいと思います。
それは決しておかしなことではありません。

しかしその思いがあまりにも強すぎると、自分の人生を歩めません。

「自分がどうしたいのか?」よりも「周りがどう思っているのか?」ということがメインになってしまいます。

ですから今後の人生はぜひ自分主体で歩んで行ってもらいたいと思います。

一気に変化する必要はありません。

「これまで良く頑張ったね!」と自分を褒めながら少しずつあなたの中にあるあなたらしさを発揮させて行ってください!

大丈夫!神様は越えられない壁は設定しないのですから!



対人恐怖症解説動画

以下の動画でも対人恐怖症について解説していますので、ご参照ください。



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