対人恐怖症の原因とは
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対人恐怖症、たった一つの原因とは?
対人恐怖症という症状があります。
その名の通り、人に恐怖を感じるという症状です。
この症状がひどくなると、人とのコミュニケーションがとれなくなってしまいます。
しかし、実は私たちも皆「プチ対人恐怖症」を持っています。
もちろん、まったく持っていない人も中にはいますが、多くの方はその要素を持っています。
これはおかしなことでも恥ずかしいことでもないのです。
なぜなら、対人恐怖症の原因はこの一つの意識だからです。
「人から嫌われてはいけない…」
私たちは誰しも、人から嫌われたくありません。
「周りから気に入られたい!」
「好かれたい!」
「一目置かれる存在になりたい!」
「人気者になりたい!」
「認められたい!」
「評価されたい!」
「大切にされたい!」
「愛されたい!」
という意識があって当然です。
ですから、
・相手から否定されること
・拒否されること
・変だと思われること
・おかしいと思われること
に大きな抵抗を感じるのです。
「嫌われたくない!」が生み出す症状
対人恐怖症の原因は「嫌われたくない!」という意識だとお伝えしましたが、その他の症状の原因にもなっています。
例えば…
- 赤面症
- あがり症
- 視線恐怖症
- 脇見恐怖症
- 恋愛恐怖症
といった「相手がいる状況」で感じる恐怖心の裏側には「嫌われたくない!」という意識が必ずあるのです。
【赤面症の場合】
赤面している自分を見たら、周りの人はおかしいと思うに違いない…
↓
赤面したら嫌われるかもしれない…
↓
赤面してはいけない!
↓
赤面への過剰反応
【あがり症の場合】
スピーチで緊張して間違えたら、哀れな奴だと思われるに違いない…
↓
失敗したら嫌われるかもしれない…
↓
絶対に失敗してはいけない!
↓
プレッシャーが増して余計に緊張する
【恋愛恐怖症の場合】
恋人が欲しいけど怖い…
↓
嫌われてフラれたらどうしよう…
↓
嫌われて傷つくなら恋なんてしないほうがいい…
というように、自分では気づいていなくても、対人関係の深層心理には
「嫌われたくない…」
という意識が強く存在しているのです。
なぜ「嫌われたくない」が、強まったのか?
「嫌われたくない…」という意識が強まった原因…
それは多くの場合、過去の人間関係にあります。
- 親が厳しく否定的だった
- 親に受け入れてもらえなかった
- 親に構ってもらえず、注目されようと努力してきた
- いじめや無視にあった
- 周りの人がいじめられ、そうなりたくないと強く感じた
このような体験を通して、
「人から嫌われたら辛い思いをする」
「人から嫌われたら大変だ」
という価値観ができあがり、「嫌われたくない…」という意識が強まってしまうのです。
「嫌われたくない!」という意識を和らげる4つの方法
では、知らず知らずのうちに出来上がってしまった「嫌われたくない!」という意識を改善させることはできるのでしょうか?
そのための4つのポイントをお伝えします。
1.「他人はさほど自分に興味がない」と知る
例えば、以前の私は電話恐怖症でした。人前で電話をすることが苦手だったのです。
その理由は、周りの上司や同僚が自分の会話を聞いて、
「コイツは電話応対が下手だな!」
「何て次元の低い話をしているんだ!」
「できないヤツだな!」
そう感じいていると真剣に思っていたからです。
では上司や同僚はみな、本当に私の会話に聞き耳を立てていたのでしょうか?
そしてその会話を評価していたのでしょうか?
もちろんそんな訳ありませんよね。
みんな自分の仕事が忙しく、自分のことで手いっぱいです。
あなたが仕事をしている時も、他の人の電話でのやり取りをすべて気にしてはいないと思います。それと同じように相手もあなたのことなんて実はそんなに気にしていないのです。
まさに自意識過剰という状態なのです。
あなたが有名人やアイドルなら、周りの人は皆その一挙手一投足に注目します。しかし日常的に接する人であれば、よほどあなたのことが好きではない限り、必要以上に気にはしていないのです。
周りに人にとってあなたは、ある意味「空気」や「環境の一部」になっているのです。
まずはその事実を知りましょう。
【ポイント1】
あなたを気にするほど、みんなヒマじゃない
2.読心術を使わない
例えばこんな状況…
ちょっと離れて話をしている人たちがこちらをチラッと見てクスッと笑った。
すると「きっと自分のことを笑ったに違いない…」「自分の悪口を言っているかもしれない…」と思い落ち込んでしまう。
でもそれは事実でしょうか?
もしかするとたまたまこちらを見たタイミングと笑ったタイミングが合っただけかもしれませんし、あなたではなく他の人や物を見ただけかもしれません。
笑ったという行動も、楽しい話をして笑ったのかもしれません…
というように、こちらを見たことや笑ったことの真意は、その本人に直接聞かなければわかりません。
しかし、まるで相手の気持ちが手に取るようにわかる「読心術使い」のように、勝手に相手の心を読み解き「◯◯に違いない!」と決めつけているだけなのです。
【ポイント2】
あなたのその考え、自分勝手な「読心術」じゃないですか?
3.超能力を使わない
「周りは自分を気にしていないことも、読心術を使ってしまうこともわかります。」
「でも私と接する人は、私を見て明らかに表情が変わるんです!」
「だから思い込みではなく、本当に周りの人は私のことを変な目で見ているのです!」
こう言い張る方も少なくありません。
これは読心術を超えた超能力を発揮しているということです。
相手が自分を嫌っている!と思い込む判断材料には以下のようなものがあります。
- 相手の表情が変わる
- 相手の顔色が変わる
- 相手が視線をそらす
- 相手が視線を向ける
- 相手が笑う
- 相手から「あなた◯◯だよ」と自分の状態を指摘される
- 相手の態度がそっけなくなる
このような場面を見ると、
「やっぱり自分は嫌われている!間違いない!」
「やっぱり変な目で見られている!間違いない!」
と確信してしまうのです。
人から嫌われたくない!と思っているのにも関わらず、
「ほ〜らやっぱり私は嫌われてるじゃん!」
と嫌われていることに変な自信があるのです(笑)
これはよく考えるとおかしな話しですよね。
しかし、どうでしょうか?
・表情が変わった=自分をおかしと思っている
・視線をそらす=嫌われている
・「顔が赤いよ!」と指摘された=おかしなヤツと思っている
そう100%断言できるでしょうか?
読心術と同じように、私たちは超能力など使えません。
ですから相手の表情や態度から相手の感情や思いを100%把握することなんて不可能です。相手に直接聞く以外に確認する方法はありません。
例えば赤面や緊張している自分を見て相手が目を反らしたとしても、自分に気をつかってくれているだけかもしれないのです。
【ポイント3】
相手のすべての言動を「嫌われている!」につげないようにしよう!
4.「嫌われてもいい」と思う
「嫌われてはいけない!」という思いが強ければ強いほど、周りの視線や評価が気になります。
ということは、「別に嫌われてもいいや!」というスタンスでいられれば、人の目を気にしなくなれるということも言えます。
だとしたら、積極的に「嫌われてもいい!」と思いましょう!
そう思う方法は「書く」+「言う」+「イメージ」です。
「私は周りの人から嫌われてもいい」とノートに何度も書き出し、それを繰り返し声に出して読む。
そして、嫌われていることに全く動じずに「笑顔で我が道を行く自分」の姿をありありとイメージします。
これを繰り返すと、大きな抵抗感があった「嫌われたくない!」という価値観が徐々に緩和して行きます。
【参考記事】
最悪をあえて想定するという方法も効果的ですのお試しください。
対人関係に苦手意識を持っている人は、どちらかというと「人は自分を嫌っている」という「無意識的な思考土台」の上に人間関係を構築しています。
一方、人と接するのが大好きで何の抵抗感もない人は、「人は自分を愛している」という「無意識的な思考土台」の上に人間関係を構築しています。
だとしたら、あなたはどちらの土台を選びますか?
【ポイント4】
「自分は嫌われても平気よ!だって愛されているから^^」を口ぐせにしよう!
まとめ
家族、友人、ご近所さん、会社の人たち…など、私たちは様々な人々との関わりを通して社会生活を営んでいます。
そして平穏無事な生活を過ごすためには、周りの人との調和がとても大切です。
私たち日本人は和を大切にする民族ですので、相手の気持ちを察することに長けています。
ですから「嫌われてはいけない」という意識にもメリットもあるのです。
それは場の空気を読み、人間関係を良好にするというメリットです。
大切なことはバランスです。
「嫌われてはいけない」という意識が自分の自由を抑制してしまっては、自分の人生を生きられません。
かといって全くなくなってしまっては、他人に迷惑をかけてしまいます。
大切なことはバランスです。
ぜひあなたも「自分」と「周りの人」両方が生きやすい人間関係を実現して行ってください!
対人恐怖症解説動画
以下の動画でも対人恐怖症について解説していますので、ご参照ください。